今回は「MG Zガンダム Ver.Ka」のガンプラレビューです。
機動戦士Zガンダム/ガンダムZZに登場するZガンダムの、MG Ver.Ka版をご紹介。
2023年発売。
色分け・可動ともに優秀かつ、「MS形態」「ウェイブ・ライダー形態」両方のフォルムに破綻がないような変形機構が構築されています。
カトキハジメ氏デザインの水転写式デカールも付属。
ということで、MGZガンダムのVer.Ka版をレビューしていきたいと思います!
MG 1/100 ゼータガンダム Ver.Ka
「Ver.Ka」20周年ということで、TVオリジナルの姿として約40年の刻を経て発売されたMGゼータガンダムのVer.Ka版。
一つ前のMGであるVer.2.0は2005年発売なので、MGとしては実に18年ぶりにリニューアルデザインされたゼータということになります。
超人気機体なのでもっとバリエーションがあると思っていたのですが、MG版としては超久々なのがちょっぴり驚きです。
今回はホイルシールと、カトキハジメ氏デザインの水転写デカールが付属します。
付属品一覧がこちら。
※「ビーム・ライフル」「ビーム・サーベル×2」「グレネード・ランチャー×2」「シールド」「ハンドパーツ」「可変/固定アンテナ」「頭部の一部予備パーツ」「MS/WR用のアクションベース用ジョイントパーツ」「1/100カミーユ・ビダンのフィギュア」
ハンドパーツは左右の握り手のほか、指を交換できるタイプのものが左右分付属します。(平手・銃持ち手・サーベル持ち手に差し替え可能)
今回はVer.2.0に付属していた「ハイパー・メガ・ランチャー」「カタパルト型ディスプレイスタンド」は付属しません。この点だけはご注意を!(そのうちプレバン限定でハイメガランチャーオプションパーツセットとか出るのかな……?(*_*))
1/100 カミーユ・ビダンのフィギュアをアップで。
この立ち姿のほか、内部に組み込む座った状態のものも付属します。
まずは昔の設定画(左)と、カトキハジメ氏により描き起こされた設定画(右)を比較。
実は今回のMG版はVer.Kaという商品名にはなっているものの、カトキ版ゼータではなくTV版ゼータ(ガンプラとしては最初の無印1/100版が近い)をコンセプトとしてデザインされているのが特徴だったりします。(組み立て書のインタビューに記載アリ)
そもそもVer.Kaはカトキ風味の味付けをするシリーズではなく、アイテムごとにテーマを設定してチャレンジしていくのがコンセプトとの事です。
Ver.2.0の胸部と比較。Ver.Kaの具体的な特徴は「胸の正面が絶壁のように切りたっているTV版」デザインが意識されていたりする点です。
インタビューを読むと、当時はデザインが決定したあとも「どうやったらゼータがカッコよくなるか」という試行錯誤により、胸は絶壁にするよりも少し傾斜を緩くした方がカッコいいんじゃないか?という流れで昨今のスタイリッシュゼータのイメージが定着していったとのこと。
今回はゼータのMG化が3度目ということで、今までの流れをガラっと変えて原点に立ち返るテーマで制作されたそうです。(詳しいVer.2.0との比較は後半で紹介)
……うむ。ゼータは大好物なMSなので、いつもより長文レビューになってしまうな(*_*;)
それでは早速、Ver.KaのMGゼータ自体をじっくりと見ていきます!
完成したMG 1/100 ゼータガンダムVer.Kaがこちら。
正直Ver.2.0では自立にコツがいったり、武器の保持力が弱いなど弱点が結構あったのですが、今回は組みやすいうえ自立性・接地性に優れた現代風ガンプラに仕上がっています。
ポリキャップは不使用、最近のKPS樹脂(やわらかプラ)を使った塗りやすく動かしやすい内容になっています。
いかがでしょうか。
HGUC版などのようなスタイリッシュ体型ではなく、TV版を意識したデザインになっているのが非常に面白いです。
とはいえ劇中や初期設定画のようなずんぐりむっくりではなく、ほどよい体型バランスで立体化されているのではないでしょうか。
それでは各部細かく見ていきます!
可動域は広く、手足は大きく広がり顔を上げる動作も得意です。
一応もっと開脚できるのですが、これ以上広げると腰部サイドアーマーが外れてしまう感じです。
手足の関節は大きく曲がりますが、デザイン的にヒザ立ちは不可です。(無理やりやればできるかもですが)
ウェイブ・ライダー形態への変形ギミックを搭載しているからか、腰を撚る動作はちょい苦手です。
頭部をアップで。アンテナは可動型と固定型2つが付属します。
MS形態限定で飾る場合は、変に閉じない固定アンテナをチョイスするのがオススメです。(今回はWR形態も見ていくので、可動型をチョイスしています)
横、後ろから。ツインアイとトサカ前後は無色のクリアパーツになっていて、ホイルシールで色を補う仕様です。
中身はこのようになっていて、60mmバルカン砲はメタリックなエクストラフィニッシュ加工のシルバー成形になっています。
アンテナ中央は地味に開口されていて、中にあるグレーのパーツが露出する構造。ちなみにこの基部グレーのパーツは、予備分が付属します。
今回最大の特徴でもある、胸部がこちら。
こちらにもシルバーパーツが使われています。黄色いパーツの下にある青い部分は可動し、MS形態では折りたたむようにして再現します。
コクピットハッチは開閉可能。中には座った状態のフィギュアを組み込みます。
腰部は細かなグレーも色分けされていて、中のパーツが露出する形で再現されています。
肩まわりの色分けも優秀で、イエロー部・グレー部ともに細かく色分け済みです。
側面のサブアーマーは可動します。
肩はこのように根本部分から動くため、可動幅が広いです。
グレーの裏打ちパーツも色分けされているうえ、モールドが細かいです。
腕部も、細かなイエローが色分けされています。
前腕部2本のパイプは緩いカーブになっていて、カトキハジメ氏により「溝の数」「幅」が指定されたデザインとの事。また、設定画に準拠した丸いヒジ関節の再現はMGで初となります。
丸いヒジ関節により前腕部はロール回転こそしないものの、左右に細かく振ることができます。
手首付近も然り。
腰部まわりもコダワリの作りで、エクストラフィニッシュのシルバーパーツを裏打ちパーツに使うことにより細かな金属表現が再現されています。
↑枠のパーツを取り付けることで、アクションベース系に対応。接続強度は強めで、落下の心配は少ないかと思います。
背部のフライング・アーマーをアップで。こちらにもシルバーパーツを使用。
腰部リアアーマーのバーニアは、グレー・レッドと細かく色分けされています。
脚部の色分けも良好です。
足首パーツはこのようなパーツ構造になっていて、足裏の金属部まで細かく再現されています……(*_*;)
今回のゼータ、変態的な作りだな……。
「Zガンダム、カミーユ行きます!」
ゼータガンダム、出撃!
どの角度から見ても美しい……。
それでは武装を見つつ、アクションポーズいってみます!
シールドは角型の取り付け軸になっていて、ロール回転はせず。
赤い部分はスライド可動し、伸縮できます。
ビーム・ライフルも伸縮可能です。細かな黄色い部分も色分け済み。
専用の銃持ち手指パーツが付属するので、ガッチリと保持できます。
「直撃できれば!」
ビーム・ライフルで攻撃!
ビーム・ライフルの銃口にビーム刃を取り付ければ、ロング・ビーム・サーベルが再現できます。
ちなみに銃持ち手の指パーツは、↑のように左手分も付属します。
ビーム・ライフルは、前腕部に接続できます。
腰部サイドアーマーはサーベルラックになっていて、グリップを引き抜けば
ビーム・サーベルを持たせることができます。
こちらも専用の指パーツが左右分付属し、ガッチリと保持できます。
「ここからいなくなれ!」
ライフル+サーベルでパシャリ。
グレネード・ランチャーは左右分付属。
前腕部に接続後、前へ動かせばミサイルハッチが開きます。
グレネード・ランチャーで攻撃!
それではガンプラ最大の鬼門、ゼータガンダムのウェイブ・ライダー形態への変形ギミックを見ていきます……w
ウェイブ・ライダー形態
まずはじめに、Ver.2.0の変形よりやりやすくなっているものの、やはり組み立て書とにらめっこのチョイ難変形になっている点はご注意を。
ちょっと言葉では正確に伝えきれないギミックになっているので、おおまかに解説していきます。アンテナを閉じ、胸部パーツを引き上げ腰パーツを収納。
肩部パーツを動かし、パイプ部を一度開いて前腕部を縮めます。
腕を前へ持っていき、腰部まわりを可動。※少しでもわかりやすいよう一部パーツを外した状態で解説
脚部を広げ、フライング・アーマーを展開。
このように腕側に閉じ、ウイングを引き出し脚部を折り畳みます。
サイドアーマーを前へ向け、上部にビーム・ライフルを接続。
あとは↑枠のWR形態用ジョイントパーツを取り付ければ、アクションベースに対応します。
ドドン。ウェイブ・ライダー形態へ変形完了です。
少し複雑な変形ギミックですが、難易度的にはVer.2.0のように「一度変形させたらMS形態に戻せる自信がない」状態にはならないぐらいだと思います……w
横から。
突撃!
シールド、フライング・アーマー、腰部フロントアーマーの↑枠部分は引き出すことができ、ランディング・ギアを展開させ接地状態で飾ることもできます。
MG 1/100 ゼータガンダムVer.2.0と比較。
Ver.2.0は、2005年発売です。パッと見で、スタイルが大きく変化しているのが見て取れます。
後ろ姿を比較。今回のVer.Kaでは、脚部スラスター部などVer.2.0では色合けされていなかった細かな部分も色分けされています。
頭部を比較。アンテナが大きくなりました。
この胸部まわりが、一番変化が大きいところです。
脚部を比較。Ver.2.0では自立させるのが少し難しかったのですが、今回は安定して自立します。
ウェイブ・ライダー形態を比較。
ただVer.2.0にはハイパー・メガ・ランチャーとカタパルト型ディスプレイベースが付属していたので、付属品の数はVer.2.0の勝利です。
Ver.2.0の方のレビューは↓でどうぞ。
HGUC 1/144 ゼータガンダム(GUNPLA EVOLUTION PROJECT)※左下、RG 1/144 ゼータガンダム※右下 も混ぜ、色々なZガンダムのガンプラバリエーションでディスプレイ。
1/144スケールだと、個人的には発売年も新しいHGUCのGUNPLA EVOLUTION PROJECT版の方がオススメです。
同じエゥーゴの機体「MG 1/100 ガンダムMk-II Ver.2.0」「MG 1/100 百式 Ver.2.0」と一緒にディスプレイ。
エゥーゴカラーのマークII(Ver.2.0)は2005年、百式のVer.2.0は2015年に発売されています。
「おーい、出してくださいよ、ねぇ」
MG 1/100 ゼータガンダム Ver.Kaの感想
ということでMGゼータガンダムVer.Kaのご紹介でした。
前回が結構クセの強かったVer.2.0ということで、組みやすさや色分け、ちょっと難しいものの許容範囲内の変形ギミックはかなり進化しています。
安定して自立できたり武器の保持力が強い点も、最近のガンプラ感ただようストレスフリーな作りになっている模様。
一つ注意なのは胸部のデザインなどTV版をリスペクトした内容になっているため、商品名がVer.Kaでありながらカトキ版ゼータではない点はご注意を。(組み立て書のインタビューでも記載)
贅沢をいえばハイメガランチャーも欲しかったところですが、それでも内容物が多いVer.2.0より今回のVer.Kaの方が優れた内容になっているので、今から買うなら今回のVer.Ka版の方がオススメだと思います。
以上、「MG 1/100 ゼータガンダム Ver.Ka」のガンプラレビューでした!